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「近江八景クルーズと紅葉の石山寺」添乗レポート

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皆さまこんにちは。琵琶湖汽船スタッフのNです。
すっかり秋となり、朝晩は冷え込むようになりましたね。

さて、今回は、11/13(日)に開催したカルチャークルーズに添乗しましたので、その時の様子をご紹介します!
カルチャークルーズは、年に数回開催しており、琵琶湖の歴史文化に造詣の深い大沼芳幸先生が講師として同行し、テーマに沿った解説付きのクルーズとなります。
今回のテーマは、『近江八景クルーズと紅葉の石山寺』。大津港から船に乗り、近江八景の1つである石山寺に上陸し参拝&昼食。その後、船の中から近江八景をめぐる行程です。

「ランシング」号に乗船し、大津港を出港です。ランシングは当社の船では一番小さい1F建ての船です。
今回上陸する石山寺港へ行くには、びわ湖を南下して瀬田川に入っていくのですが、途中通過する近江大橋や唐橋は橋桁から水面までの高さが低いため、当社の船で瀬田川に下っていけるのは、ランシングとインターラーケンの2隻のみとなります。

船内では近江八景についての解説が始まりました。講師の大沼先生は、当社の解説付きカルチャークルーズでは、お馴染みの先生です。毎回、先生の解説を楽しみにされているリピーターの方も多いのですが、今回はびわ湖に来るのが初めて!という方もおられました。

今回乗船したのは、ランシング号
船内では、モニターを使用して解説

解説を聞いていると、あっという間に石山寺港へ到着です。この日はあいにくの雨。散策中は小降りだといいなと願っていたのですが、結構な土砂降りです・・・傘をさして歩くのが億劫になるくらいでしたが、石山寺の東大門前に綺麗に色づいた紅葉を見て、心が躍りました!今年は、例年より紅葉が早いようで、ちょうど紅葉し始めたところでした。

石山寺東大門前 キレイに紅葉してました
石山寺東大門 紅葉の赤と緑のコントラストが美しい

石山寺は、「珪灰石(けいかいせき)」と呼ばれる巨大な石の上に建てられており、「石の山の上に建つお寺」として、石山寺と名付けられたと言われています。硅灰石とは、石灰岩が地中から上がった花崗岩と接触し、その熱のために変成したものです。石山寺本堂前に大きく突き出た珪灰石があるのですが、ここまで巨大な珪灰石は非常に珍しく、国の天然記念物となっています。

続いて、石山寺本堂へ。国宝に指定されており、中には、立派な仏様が安置されています。大沼先生の話によれば、石山寺の観音様は古より、女性を救ってくれると言い伝えられていたことから、平安時代には高貴な女性たちが石山寺に通う石山詣が流行していたようです。石山寺は、紫式部が源氏物語と書いた場所としても有名ですが、紫式部をはじめ、他にも数々の女流文学者が訪れたとされています。

本堂をお参りした後は、「月見亭」へ。こちらは、源氏物語のストーリーが生まれるきっかけとなった場所です。本堂にこもって物語を書いていた紫式部は、なかなかアイデアが浮かばず、気晴らしに境内に出たとき、あまりにも美しい中秋の名月を見て、ハッと源氏物語「須磨・明石の帖」が思い浮かび慌てて書き留めたと言われています。それ以来、石山寺は、月の名所として定着し、毎年中秋の名月の際に、「秋月祭」が行われています。

石山寺の名前の由来となっている珪灰石
月見亭 紫式部が月見をした場所

参拝・散策の後は、昼食タイムです。昼食会場は、石山寺の境内にある「明王院」。今回はなんと「明王院」を貸切にして、石山寺近くにある料亭「新月」さんの式部弁当をいただきます。2段のお重の中に、いろとりどりの秋の味覚が詰め込まれており、見た目にも楽しめます。滋賀県の特産品赤こんにゃくや鮎も入っており、皆さん上品な味に満足されている様子でした。
お食事の後は、お買い物タイムです。門前には、「叶匠寿庵」「仁々木」など老舗の和菓子屋さんが軒を連ねています。今年(2022年)オープンしたばかりのスイーツ&ベーカリーの複合施設「石山テラス」もあり、美味しいものがいっぱいです。石山寺参拝の後に、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

石山寺では、毎年もみじの時期に、紅葉ライトアップ「あらた夜もみじ」が開催されています。ぜひ、昼間の色鮮やかなもみじとは一味違うライトアップされたもみじの美しさもご堪能いただきたいです。

昼食会場、石山寺境内の明王院。貸切です。
新月さんの式部弁当 色とりどりで見た目も美しい

石山寺参拝後は再び船に乗り込み、瀬田川からびわ湖へ北上しながら近江八景めぐりの開始です。
近江八景とは、中国の「瀟湘八景」になぞらえて選ばれたびわ湖の南部に位置する8つの景勝地のこと。江戸時代、浮世絵師の安藤広重の風景画により全国的に広く知られるようになり、全国各地のご当地八景の中でも特に人気のものとなりました。
今回は、その近江八景に描かれている景色を、解説を聞きながら船の中からみていただきました。

近江八景は、北から順に「比良の暮雪」「堅田の落雁」「唐崎の夜雨」「三井の晩鐘」「矢橋の帰帆」「粟津の晴嵐」「石山の秋月」「瀬田の夕照」となります。
浮世絵に描かれた昔の景色と、船上から見る現在の景色を見比べながらめぐります。残念ながら、埋立地になってしまったことで船上からは見えない景色もありましたが、浮御堂や唐橋など浮世絵の面影を残したものが見えると昔の浪漫を感じワクワクします。
あいにくの雨模様で、見えにくい部分もありましたが、当時に想いを馳せながらのクルーズとなりました。

近江八景「堅田の落雁」の浮御堂
近江八景「唐崎の夜雨」の唐崎神社
近江八景「粟津の晴嵐」 近くの膳所城跡
近江八景「瀬田の夕照」の唐橋

次回のカルチャークルーズは、来年1月に開催の「ビアンカ初詣クルーズ」「沖島の四季(正月)どんど焼きと湖魚料理」です。
2023年の年はじめ、船上で大沼先生の解説を聞きながら、びわ湖の歴史や文化に触れてみませんか。
皆さまに会える日を楽しみにしています!